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Q&A こどものビザ編>Q10

Q10 中国人妻の連れ子を養子とする際に実父が死亡している場合について

Q 私は日本に住む日本人男性です。私には中国人の妻がおり、この度妻と妻の前夫との間の嫡出子である16歳の子を養子にしようと考えています。

 中国人を養子にする場合は、実父母の同意が必要だと思うのですが、妻の前夫は既に亡くなっています。この場合は妻の同意があれば養子縁組は可能と考えてよいのでしょうか?



A 渉外養子縁組の実質的成立要件の準拠法については、法の適用に関する通則法(以下「通則法」といいます。)第31条第1項により、縁組の当時の養親となる者の本国法によるものとされ、さらに、養子となる者の本国法が養子若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることを要件とするときは、その要件(以下「養子の保護要件」という。)をも備えなければならないとされています。

 養親となる者の本国法である日本民法によると、未成年者を養子とする場合には家庭裁判所の許可が必要ですが、配偶者の直系卑属(子や孫など)を養子とする場合は許可は不要です(民法第798条)。

 一方、中国法上の養子の保護要件については、中華人民共和国養子縁組法(以下「養子法」といいます。)により、@養子となる者の父母の同意(養子法第10条第1項)と、A養子が10歳以上の場合は養子本人の同意(養子法第11条)が、これに該当するものとされています。

 また、養子となる者の父母の一方が行方不明の場合は、他の一方の同意で足りるとされています(養子法第10条第1項)。

 なお、同意については任意の形式による同意書でよく、縁組代諾者として届出人となり縁組届書に署名押印している場合には、同意書が添付されていなくても、その同意があるものとして取り扱って差し支えないとされています(平成22年6月23日付け法務省民一第1541号民事局民事第一課長通知)。

 しかし、養子法第18条では、「夫婦の一方が死亡し、他の一方が未成年の子を養子に送り出そうとするときは、死亡した配偶者の父母が撫養の優先的権利を有する。」と規定しています。

 加えて中国公民養子縁組登記弁法第6条(2)によると、夫婦の一方が死亡し、他の一方が未成年の子を養子に送り出そうとする場合は、「死亡した配偶者の父母が養子縁組に同意しなければならず、その同意は書面で提出される必要がある」と規定されているので、これも養子の保護要件になると考えれています(平成22年6月23日付け法務省民一第1540号民事局民事第一課長回答3)。

 渉外国の法制でも、養子の保護要件には、子の人身売買の被害や福祉を無視した縁組を阻止するためなどの理由から、子の保護を目的としたものが多いのですが、中には関係者の利害調整を主な目的としたものもあります。いずれにしても養子の保護要件に該当するか否かは形式で判断すれば足り、その目的や機能については問わないとされています。

 本件について養子縁組届出をする際には、養子の保護要件の審査をするために、@養子になる者の実母である中国人妻の同意書、A養子になる者の実父である中国人妻の前夫の死亡の事実を証する公証書、B死亡した前夫の父母(養子になる者の祖父母)と養子となる者の親族関係を証する公証書、C死亡した前夫の父母の同意書が添付書面として必要となると考えられます。

 なお、死亡した実親の父母が既に死亡している場合は、中国法上、その他第三者の同意を必要とする規定が見当たらないことから、死亡の事実を証する公証書を添付すれば足りるとされています。




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