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Q&A 配偶者ビザ編>Q15
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Q15 イギリス在住のアイルランド人と日本人の離婚について |
Q 私は1994年生まれ(23歳)の日本人女性です。3年前に日本からイギリスに留学(現在も学生のステイタスで滞在)し、そこで出会ったアイルランド人と2年前に結婚。現在までロンドンで同居生活をしてきましたが、この程離婚することになりました(ちなみに子どもはいません。)。
イギリスでは離婚するためには裁判が必要なのですが、裁判に要する時間と労力を思うととても気が重いです・・・何とか離婚手続きを簡単に済ませる方法はないものでしょうか。
A 結論から申しますと、質問者さんはイギリスでの裁判離婚によらず、日本法に基づき協議離婚届を出すことで離婚が可能と考えます。
以下根拠を述べます。
日本においては、協議離婚(民法第763条)と裁判離婚(民法第770条)が認められていますが、イギリスやアイルランドなど諸外国においては、協議離婚を認めず裁判離婚しか認めない国も存在します(むしろそちらが一般的)。
渉外的な離婚についてはまず準拠法(適用される法律)の特定が必要となります。法の適用に関する通則法(以下「通則法」と言います。)によると、その準拠用は第1に夫婦の本国法が同一である時はその法(共通本国法)、第2に夫婦の常居所地法が同一である場合はその法(共通常居所地法)、第3に夫婦に最も密接な関係がある地の法(密接関連地法)となり、段階的連結により定められます(通則法第27条により第25条準用)。
また、夫婦の一方が日本人であり、日本に常居所を有している場合は、日本法が準拠法となります(通則法第27条但し書き)。したがって、質問者さんの常居所地が日本であれば、離婚については日本法で判断すればよいことになります。
ここでいう「常居所」の認定方法ですが、日本人の場合、住民票(発行後1年以内のもの)等により住民登録を確認することができる場合は、これにより日本に常居所があるものとして取扱い、国外に転出し住民票が消除された場合でも、出国後5年以内であれば同様に扱うとされています(平成元年10月2日付け法務省民二第3900号民事局長通達第8(以下「3900号通達」と言います。)。
したがって、日本国を出国して住民票が消除されていたとしても、原則として5年以内であれば日本が常居所と認定されることになります。ただし、次に挙げる国に滞在する者は住民票が消除されて1年が経過すると日本が常居所とは認定されませんので注意が必要です(3900号通達第8の2(1)但し書き)。
1.重国籍の場合で、日本以外の国籍国
2.永住資格を有する国
3.配偶者の国籍国
4.養子の場合で、養親の国籍国
質問者さんの場合、1.や4.に該当する可能性はゼロではないと思いますが、ここでは考慮しないことにします。2.については学生としての滞在とのことですので該当せず、3.も夫の国籍はアイルランドですので該当していません。したがって、日本に住民登録がある、なしに係わらず、日本を離れて3年しか経っていない現在においては、常居所は日本ということになり、離婚の準拠法は日本法ということになります。
そして法律行為の方式(形式的成立要件)としての準拠法は、当該法律行為の成立を定める法律(実質的成立要件の準拠法)によるほか、行為地の法律によることもできるとされています(通則法第34条)。平たくいうと、離婚の成立を日本法(民法)で判断できるのであれば、離婚の形式も日本法(戸籍法)でOKということです。
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